珍しい良い品は、あとで利を生むから大事にする。転じて、絶好の機会を逃さないようにすること。
『史記』の呂不韋(りょふい)の言った言葉。戦国時代、各国は王子を人質として交換し、同盟を結んでいたが、秦しんの王子の一人が趙(ちょう)に人質となり粗末に扱われているのを見て、言ったものである。
「奇貨」は、珍しい品、「居く」は、大事にしまっておく。秦の王子を奇貨に喩(たとえ)たもの。
豪商の呂不韋はこの王子に肩入れし、策をめぐらせてとうとう秦の王にすることに成功した。自分は丞相(じょうしょう)(首相)となって国政を執ることになる。
誰も無関心な成長株にいち早く投資したり、くすぶっている人材を発掘する場合などがこれに当たる。
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