世を離れて気ままに暮らすこと。謝安(しゃあん)の故事。
東晋(4世紀)の大貴族の謝安は40歳になっても宮仕えせず、会稽(゚エ江省)の東山で気ままに暮らしていた。高臥は高枕で寝ること。
ある時、妓女(ぎじょ)を乗せ友人たちと賑(にぎ)やかに舟遊びをしているうち、急に大風が吹き、波立ってきた。船頭が引き返しましょうと促したが、謝安はもっと沖へ行けという。波はますます荒れて船中の人は生きた心地もなかったが、謝安は平気で舟遊びを楽しんだ。
こんなことから謝安は人物が大きいと評判になり、戦いが起こると推されて大臣となり国を救った。
「悠悠自適」と近い語だが、大人物が風流な遊びを楽しむ、というニュアンスが強い言葉になっている。
|