白髪(しらが)としわの多い肌。老人の形容。
鶴の羽のような髪の毛とにわとりの皮のような肌。言葉は洒落(しゃれ)ているが、内容は厳しいことを言う。逆に言えば、老醜のさまを風雅に表現したわけだ。
鶏皮とは、にわとりの羽をむしって皮だけになった、そのような肌ということ。日常生活の中から生まれた語であろう。昔の人の観察はなかなか細かい。
女性の美しい眉(まゆ)を「蛾眉(がび)」(蛾の触覚)といったり、白い肌を「凝脂(ぎょうし)」(凝った脂肪)というのも、養蚕や肉料理の際に見つけた表現に違いない。
「鶴髪鶏皮」は、六朝の詩人〓信(ゆしん)(6世紀)の句に見える。また古く「台背(たいはい)」という語も見える。フグの背中のようなしみをいう。
(〓は”广”に”臾”の合わせ文字)
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