夜の雨の音を聞きながらベッドを並べて寝る。兄弟または親友同士の親しさを表す言葉。床は、ベッド、寝台。「対床」(床を対す)はベッドを並べること。
宋の蘇東坡(そとうば)が3つ違いの弟轍(てつ)(字(あざな)は子由(しゆう))に贈った詩に、「対床定めて悠々、夜雨今蕭瑟(しょうしつ)たり」(ベッドを並べて寝る約束は果(は)たせそうもない。夜の雨ばかりが寂しく音を立てて降っている)と詠(うた)う。
「夜雨対床」の語の基づくものは、唐の韋応物(いおうぶつ)の詩句「寧(いずく)んぞ知らん風雨の夜、復た此(ここ)に対床して眠る」(思いもかけず風雨の夜に、こうしてベッドを並べて寝ることができた)と、親友との出会いを喜んだもの。
東坡はこの句に感銘をうけ、弟としみじみ語り合いたいとの願望を詠った。
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