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漢字の世界215

 

【2006.9.29】 
横行闊歩(おうこうかっぽ)

勝手気ままに振る舞う

 大手を振ってのし歩く。転じて、勝手気ままに振る舞う。

 四字の熟語としての古い用例はない。「横行」は、縦横(ほしいまま)に行く、どこへでも行く、悪い意味では”のさばる”の意。

 『荘子(そうじ)』に「盗跖(とうせき)の従卒(じゅうそつ)九千人、天下に横行す」(大泥棒の盗跖の手下は九千人、世にのさばった)という用例が見られる。

 「闊歩」は、大またに歩く。闊は広いこと。闊達(かったつ)といえば、小さいことにあくせくしない、心の広いさまをいう。

 闊歩のほうには特に悪い意味はないが、横行とくっつくと良い意味には用いない語となる。

 戦後の盛り場では、法を無視したやくざや闇屋が横行闊歩していたものだ。


全国漢文教育学会長
石川 忠久 
 


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