10匹の羊に対し9人の牧人がいる。民衆が少ないのに役人が多いことの喩(たと)え。
『隋(ずい)書』(隋代の歴史)に見える言葉。「民少なく官多きは、十羊九牧なり、要(よう)を存(そん)し閑(かん)を去り、少を併せて大と為(な)さば、国家は粟帛(ぞくはく)を欠かず」(民衆が少ないのに官吏が多いのは、十羊九牧である。必要なものは残し、むだなものを省き、少を合併して大にすれば国家は食料衣料にこと欠かない)。
隋唐のころ(7世紀)になると、行政組織が肥大化し、役人の数が増え過ぎた弊害を述べたもの。これは今日の問題でもあろう。
古今東西を問わず、行政は自然に肥大化し、役人は増え続けるもの。小さな政府・市町村合併は今もなお古くて新しい課題だ。
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