わずらわしいほどの飾りや、くだくだしい作法。
『隹南子(えなんじ)』(漢代の思想書)に「繁文滋礼(じれい)」という語が見える。滋は、数の多いこと。縟は、飾りの多いことで、つまりくだくだしい礼儀作法を、滋礼とも辱礼ともいう。
繁文の「文」は、紋様、装飾の意。度の過ぎた飾り。「繁」には、繁栄や繁華のように良い意味もあるが、度が過ぎると繁言(はんげん)(しゃべり過ぎ)や繁辞(わずらわしい言葉)のような意味になる。
繁文縟礼も度の過ぎたやり方を非難するときに用いられる語である。
制度が整備し、組織が整うと、次第にわずらわしい規則が増え、虚礼などがはびこるようになる。「十羊九牧」と同類の語だ。
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