ものの手本、決まり。
規は、円を描くぶんまわし、コンパス。矩は、さしがね、定規。準は、水もり、水平をはかる器具。縄は、すみなわ、直線の印をつける器具。いずれも物を作るときに用いる道具であることから、手本、法則の意となった。
もと『孟子』に見える語。「聖人既(すで)に目力(もくりょく)を竭(つ)くし、之(これ)に継(つぐ)に規矩準縄を以てし、方員(ほうえん)(圓)平直(へいちょく)を為なす」(昔、聖人が出てまず目の力を尽くし、それから規矩準縄で、物の方圓平(しかくまるたいら)直(まっすぐ)をほどこした)とある。太古、人が次第に道具を用いて物を作り出す、そのはじめを述べたもの。
最初は単純なものだったのが、社会が複雑になると「繁文縟礼」になる。すべからく基本に戻るべし。
|