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漢字の世界220

 

【2006.10.5】 
支離滅裂(しりめつれつ)

ばらばらでまとまりがない

 ばらばらでまとまりがないこと。めちゃめちゃ。

 支離(しり)も滅裂(めつれつ)も音のそろう畳韻(じゅういん)語。物の状態を形容する語(擬態(ぎたい)語)である。めちゃめちゃ、ばらばらということ。どちらも『荘子(そうじ)』に出てくる。

 『荘子』には支離疏(しりそ)という人物が出てくる。あごがへそを隠し、肩が頭のてっぺんより高い、不思議な形をしているが、たくみに生きていくことを述べる、荘子一流のアイロニー的論法である。

 今は普通、文章や話の内容について、筋道が立たず乱れているさまをいう。

 近い言葉として「支離紛錯(ふんさく)」があり、これは文章の内容が薄っぺらで筋が通らないか、でたらめで回りくどいことの形容である。


全国漢文教育学会長
石川 忠久 
 


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