草木が茂ったり枯れたりすることから、人の一生や権力者の浮き沈みに喩(たと)える。栄枯も盛衰も同じ意。「消長」(消えたり長(の)びたり)や「興亡」(興ったり亡びたり)も同類の語。
用例としては魏(ぎ)の曹植(そうち)に「積善(せきぜん)に余慶(よけい)あり、栄枯立ちどころに須(ま)つべし」(善いことを積み重ねていると幸いが来る。栄枯はくるくる変わる)とある。
また、漢代の「古詩十九首」其(そ)の11に「盛衰各(おの)おの時あり、身を立つるは早からざるに苦しむ」(盛んになったり衰えたりするのには時期がある。出世の遅れは悲しい)と詠(うた)う。
このように、古い時代の詩歌によく出てくる語だ。
わが歌舞伎の台詞(せりふ)にも「栄枯盛衰は世のいと言いながら…」と出てくる。
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