力を尽くしつとめ励む。
「刻苦」は、唐の韓愈(かんゆ)の友人柳宗元(りゅうそうげん)を追悼する文に「閑に居り益(ます)ます自ら刻苦し、記覧(きらん)に務め、詞章(ししょう)を為(な)す」(柳宗元は左遷されている時もますます苦労を重ね、遊歴につとめ、紀行文を著した)と見える。
「勉励」は勉も励もつとめはげむの意。普通に用いられる語である。「精励(せいれい)」と同じように用いる。
「刻苦勉励」というと、典型的人物としては「雪案螢窓(せつあんけいそう)」(33回)の故事の晋(しん)の孫康(そんこう)と車胤(しゃいん)だろう。本を読む燈火の油も買えない貧乏生活の中でつとめ励み、ひとかどの人物になった。
わが国では二宮金次郎が一つの典型をなす。しばを背負いながら本を読む姿の銅像は、どこの小学校にも置かれていたものだ。
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