「骨を粉こにし身(み)を砕(くだ)く」と読む。骨折って懸命につとめること。
もと仏教語。『禅林類纂(ぜんりんるいさん)』に「粉骨砕身するも、此(こ)の徳に報(むく)い難(がた)し」(力の限り尽くしても、仏恩に報いるのは難しい)と見える。
また『証道歌(しょうどうか)』(唐の僧玄覚(げんかく)の禅の教えを説く歌)にも「粉骨砕身未だ酬(むく)ゆるに足らず」と同じような教えを唱うたっている。
前回の「刻苦勉励」や「粒粒辛苦」(8回)とも近い語だが、こちらの方は身を投げ出すような意味があり、より強い調子の語になっている。
勉学より仕事の上で、身も心も捧げて働くような場合に用いる。たとえば、新入社員の決意表明に、粉骨砕身仕事に励みます、と言ったら申し分ないだろう。
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