心にわだかまりがなく落ち着いているさま。
四字の熟語としての古い用例はない。虚心は、『老子』に「聖人の治はその心を虚むなしくして、その腹を実みたす」(聖人が治めるやり方は民の心を虚(から)にし、腹をいっぱいにする)というのが基で、古典によく出てくる。何かをしてやろうなどと思わない心をいう。
坦懐には古い典故はない。坦は、平らの意で好悪の情などにとらわれない心をいう。懐は、心と同じ。
似た熟語としては、「虚心平意(へいい)」というのが、『管子(かんし)』に見える。平意(平らな心)も坦懐も同じこと。
「虚心坦懐に物を見る」と言えば、一切の先入観なしに、素直に物を見ることになる。「公平無私」や「無欲恬淡(てんたん)」も近い意味の語だ。
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