秋の冷たい霜と夏の烈(はげ)しい日光。刑罰や法令などを極めて厳しく行う喩(たとえ)。秋の気は、草木を枯らしたり虫を殺したりすることから、刑罰の意味を持つ。周代の官職の制度に「秋官」があるが、これは司法官のことである。
烈日は、日光が厳しく照らすこと。秋の霜と同様に夏の烈しい日光は、じりじり照りつけて物を傷める。
秋霜と烈日を合わせると厳しさも一通りではなく、容赦のない感じになる。また威厳のある気分を伴う。たとえば歴史上の人物で言えば、織田信長の天下取りのやり方など、ピッタリだ。権力にものを言わせ、びしびし威令を行う。
秋霜烈日のちょうど反対側の言葉が「春風駘蕩(しゅんぷうたいとう)」(46回)になるだろう。
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