内にも外にも悩みごとがあること。「内外憂患」を互い違いに言った(互文(ごぶん))。『国語・晋(しん)語』(春秋時代の晋の歴史)に「ただ聖人のみ能よく外患無く、また内憂無し」(聖人だけが国外のわずらいも、国内の心配事もない)とある。政治のあり方として、外交と内政の両面になんの憂患(心配)もないようにできるのは聖人だけだ、ということ。
春秋戦国時代、国々は外国に気を取られていると国内が危うくなり、国内にかかずらわっていると外国から攻められる、という悩みを抱いていたのである。
もともとは国の政治に関する用語だが、例えば家庭内に波風が立ったところへ、勤め先が倒産したような場合、内憂外患こもごも到る、などと大げさに言う。
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