minyu-net

 
 
四字熟語TOP
漢字の世界249

 

【2006.11.9】
責任転嫁(せきにんてんか)

過失責任を人のせいにする

 自分のなすべき務めを他人になすりつける。

 古い用例のある語ではない。責任は、自分が当然しなければならない務め。転嫁は、それを転じて他人のせいにする。

 「嫁」には、押しつける、なすりつける、の意がある。『史記』に「内禍(うちわざわい)を嫁して国を安(やす)んず」(国内の禍いを他の国へ押しつけ、国の安定をはかる)という記事が見える。

 今日では普通、過失の責任を人のせいにする場合に用いる。『唐書(とうじょ)』(唐の歴史)に「嫁非(かひ)」という語が見えるが、これは「非を嫁す」(過失や悪事を他へなすりつける)ことで、今の用法の「責任転嫁」と同じだ。

 とかく大きな過失責任は、当事者間で次々に転嫁して問えないことが多い。 


全国漢文教育学会長
石川 忠久 
 


〒960-8648 福島県福島市柳町4の29
ネットワーク上の著作権(日本新聞協会)
国内外のニュースは共同通信社の配信を受けています。

このサイトに記載された記事及び画像の無断転載を禁じます。copyright(c) 2001-2004 THE FUKUSHIMA MINYU SHIMBUN