息も絶え絶えで、死にかけていること。
晋(しん)の李密(りみつ)の「陳情の表」に見える言葉。皇帝が李密を召し抱えようとした時、96歳になる祖母に孝養を尽くしたいからと、仕官を断った。その陳情の文に「日は西山に薄(せま)りて、気息奄奄たり」(太陽が西の山に沈みかけているように息も絶え絶え)と祖母の様子を述べ、せめて最後の孝養を尽くしたいと訴えた。
皇帝はその孝心を賞(め)でて贈物を与え、祖母の没後に召し抱えたのであった。
「気息」は息、呼吸という意味で、『荘子』などに見える。「奄奄」は息がふさがるさま。
若さにまかせて張り切ったはよいが、たちまちしくじって”気息奄奄”となったのでは元も子もない。
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