ぼんやりとはっきりしない様子。
「曖昧」は、かげって暗いさま。陶淵明の『園田の居(きょ)に帰る』詩に、「曖曖たり遠人(えんじん)の村」の句があるが、遠い村里が暗くぼんやり見える様子を詠うたう。「曖曖」も「曖昧」と同じ。
「模糊」は、「糢糊」とも書く。はっきりしないさま。杜甫の詩に「駝背(だはい)錦模糊たり」という句がある。これはラクダの背に掛けた錦の織物の模様が、色とりどりにぼんやり見えることを詠ったもの。
「曖昧模糊」と言えば、普通は要領を得ないで、ぼんやりしているさまをいう。議論などで、言いたいことが何であるか、はっきりしない場合がそれだ。なお、 アイマイ、モコと音のそろう畳韻(じょういん)語になっている。
|