「要領を得ず」と読む。大事なところがつかめない。本当のことが分からない。
『史記』に「張騫月氏(ちょうけんげっし)より大夏(たいか)に至り、ついに月氏の要領を得る能(あた)わず」(張騫は月氏国から大夏国まで行ったが、結局、月氏の本当の気持ちをつかむことができなかった)とある。張騫の西域遠征の記事である。
「要領」は着物の腰帯(こしおび)(要)とえり(領)をいう。
中国の長い着物を両手で持つ場合、えりと腰帯を持つことから、物の要のところ、転じて一番大事なこと、の意になった。
四字熟語としては、前回の「曖昧模糊」に近く、肝心なところがはっきりしない意味に用いる。
また「要領」は、要領がよい、要領が悪いというような用い方もする。
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