我われを忘れて物事に熱中すること。
「無我」は、「我(が)無し」と読み、我を張らないこと、公平な心を持つこととして『論語』にも見える。
「夢中」は、文字通り夢の中。六朝梁(りょう)の沈約(しんやく)の詩に「夢中路(みち)を識(し)らず」の句があるが、これは夢を見た話になる。
四字熟語としての用例はない。今では「無我」はもっぱら”我を忘れる”意に用い、「夢中」は”夢の中にいるように熱中する”の意に用いている。
つまり、「無我夢中」は「無我」と「夢中」のそれぞれの本来の意味から離れて別な意味を作った日本製の新語である。ムガムチュウと音のそろうのも調子がよい。ただ、「夢中」を「無中」と書くのは要注意。
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