右を振り向いたり、左を見たりして気を配ること。転じて辺りの様子を気にして決断しないこと。
「左顧右眄」ともいう。左右に顧眄する、を互い違いにいう互文(ごぶん)。「顧」は振り返る。「眄」は流し目で見る。要するにあちこち見ること。
古典の用例では、たとえば李白の詩に「銀鞍紫空(ぎんあんしこう)雲日を照らし、左顧右眄光輝を生ず」(銀の鞍(くら)紫の空(あぶみ)が日に照り映え、左に右に辺りを見回し光かがやいている)と、馬にまたがった勇士を描いている。
本来は辺りを颯爽(さっそう)と見渡すことであったが、今は逆に自信なさそうに、他人を気にしてキョロキョロするような動作をいうようになった。これも和製漢語に類するものだろう。
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