だいだい(橙)が黄色くなり、みかん(橘)が緑色になるころ。初冬の小春日和の時節。
蘇東皮(そとうば)の詩から出た語。
荷尽(はすつ)きて已(すで)に雨を擎(ささ)えるの蓋(かさ)無く
菊残(ざん)して猶(な)お霜に傲(おご)るの枝有り
一年の好景君須(すべから)く記すべし
正(まさ)に是(こ)れ橙黄橘緑の時(はすは枯れてもう雨をよける傘はなく、菊は周(しぼ)んでも霜に負けない枝は残る。1年の最も良い時節を覚えておきなさい、それは橙が黄ばみ橘が緑になる時だ)
春の盛りや秋のたけなわではなく、晩秋初冬の候という、人の気がつかない季節にこそ良さがあると詠(うた)う。
この詩は、季節を詠いつつ、同時に人生の初老期の良さを詠ってもいるのだ。
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