白い砂と青い松。海辺の良い景色。
白砂は「はくしゃ」とも読む。砂は沙が本字。当用漢字にないので砂と書く。
この語は和製漢語のようだ。白砂や青松は普通の言葉だから、当然詩句によく出てくる。たとえば杜甫の詩に「江声白沙に走る」(川の音が白い砂の上に流れる)とか、王維の詩に「日色青松に冷やかなり」(夕日の光が青い松に冷たく射さしている)のように。
だが、海辺の景色の「白砂青松」は見かけない。中心部が海から遠い中国ではあまり目にしない光景なのだ。
海に囲まれる日本ならではの四字熟語といえよう。明治38年発表の武島羽衣(たけしまはごろも)の「美しき天然」には「海辺はるかにうち続く、青松白砂の美しさ」と詠(うた)う。
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