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漢字の世界265

 

【2006.11.28】
白砂青松(はくさせいしょう)

海辺の良い景色

 白い砂と青い松。海辺の良い景色。

 白砂は「はくしゃ」とも読む。砂はが本字。当用漢字にないのでと書く。

 この語は和製漢語のようだ。白砂や青松は普通の言葉だから、当然詩句によく出てくる。たとえば杜甫の詩に「江声白沙――に走る」(川の音が白い砂の上に流れる)とか、王維の詩に「日色青松――に冷やかなり」(夕日の光が青い松に冷たく射さしている)のように。

 だが、海辺の景色の「白砂青松」は見かけない。中心部が海から遠い中国ではあまり目にしない光景なのだ。

 海に囲まれる日本ならではの四字熟語といえよう。明治38年発表の武島羽衣(たけしまはごろも)の「美しき天然」には「海辺はるかにうち続く、青松白砂の美しさ」と詠(うた)う。


全国漢文教育学会長
石川 忠久 
 


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