「晴れて好く雨も奇なり」と読む。晴れても雨でも良い景色。山水の美しさをたたえた言葉。
蘇東坡(そとうば)の杭州西湖(せいこ)での「湖上に飲(いん)す、初め晴後雨ふる」という詩である。
水光瀲艶(れんえん)として晴れて偏(ひと)えに好く
山色空蒙(くうもう)として雨も亦(また)奇なり
若(も)し西湖を把(と)って西施(せいし)に比(ひ)せば
淡粧濃抹総(たんしょうのうまつすべ)て相(あ)い宜(よろ)し(水の光はひたひたと広がり晴れて美しく、山の色はぼんやりと煙り雨の景色も良い。もしこの西湖の眺めを昔の美女西施になぞらえたら、薄化粧も濃い化粧もどちらもすばらしい)
西湖と西施、言葉のあやで湖の景色を当地縁(ゆかり)の美女になぞらえた。当意即妙(とういそくみょう
(78回)の機知の詩である。
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