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四字熟語ＴＯＰ
漢字の世界２７３

　
【２００６．１２．０７】
一病息災（いちびょうそくさい）

病気持ちの方が元気
　なにか病気を一つ持っている方が元気だということ。

　これは故事来歴のある言葉ではない。「無病息災」（病気をしないで元気）をもじったもの。

　蘇東坡（そとうば）の文に「人の至楽（しらく）は身に病（やまい）無（な）く心に憂い無きに若（し）くはなし」（人の最高の楽しさは、身体に病気がなく心に心配がないこと）とある。

　昔の諺（ことわざ）として「無病にして死す」（病気にならないで死ぬ）のが一番、と『漢書（かんじょ）』に見える。

　「息災」はもと仏教語で「身の災厄（さいやく）（わざわい）を息（や）む（とめる）」ことを意味した。今では、身に災厄が無いこと、無事の意味に用いている。

　「柳に雪折れなし」（前回）ではないが、病気持ちの方が却（かえ）って用心して良い。

全国漢文教育学会長
石川　忠久 
　


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