minyu-net

 
 
四字熟語TOP
漢字の世界282

 

【2006.12.19】
一視同仁(いっしどうじん)

すべてを平等に見る

 すべてのものを平等に見る。「視を一にし仁を同じくす」と読む。

 「一視」は、平等に見る。「同仁」は、すべてに仁愛を施すこと。前回の「依怙贔屓(えこひいき)」の反意語になる。

 出典は唐の韓愈(かんゆ)の文章。「聖人は一視にして同仁、近きを篤(あつ)くして遠きを挙ぐ」(古(いにしえ)の聖人はすべてを分け隔てなく平等に見て、近いものから手厚くし、遠いものへと及ぼしていく)と。

 韓愈の文によると、(太古の堯舜(ぎょうしゅん)のような)聖人は人類も禽獣(きんじゅう)(けもの)もすべてのものを平等に見て仁愛を施すことのようだ。

 今では「一視同仁」と言えば、偏らないで物を見る公平な態度をいう。ことに政治を行う態度として用いることが多く、「公平無私」(233回)に近い言葉だ。

全国漢文教育学会長
石川 忠久 
 


〒960-8648 福島県福島市柳町4の29
ネットワーク上の著作権(日本新聞協会)
国内外のニュースは共同通信社の配信を受けています。

このサイトに記載された記事及び画像の無断転載を禁じます。copyright(c) 2001-2004 THE FUKUSHIMA MINYU SHIMBUN