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漢字の世界284

 

【2006.12.21】
周章狼狽(しゅうしょうろうばい)

あわてふためくさま

 「周章」も「狼狽」もあわてること。「周章」は、古く『楚辞(そじ)』に見えるが、周(めぐ)り遊ぶ意に用いている。降(くだ)って西晋(しん)(3世紀)の左思(さし)の文章では「軽禽狡獣(けいきんこうじゅう)、周章夷猶(いゆう)す」(軽く飛ぶ鳥やすばしこいけものが、あわてたりぐずぐずしたり)と狩りの描写に用いている。

 「狼狽」にはおもしろい説がまつわる。狼(ろう)(おおかみ)は前足が長く後足が短い。狽(ばい)(狼の一種)は前足が短く後足が長い。だから狼と狽はいつも一緒に行く。離れると倒れてしまい、あわてふためくのだ、と。

 なんだかおかしな話だが、魏(ぎ)晋(3・四世紀)のころには、あわてる意味でよく用いられている。
 最近は不正がバレて周章狼狽する人が多いようだ。

全国漢文教育学会長
石川 忠久 
 


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