minyu-net

 
 
四字熟語TOP
漢字の世界289

 

【2006.12.27】
首鼠両端(しゅそりょうたん)

結論出さず様子見

 どちらとも決めないで様子を見る。日和見。洞(ほら)ケ峠。

 『卑雅(ひが)』(宋の陸佃(りくでん)の著した百科事典)に「鼠(ねずみ)の性は疑う。穴を出(い)ずるに多く果たさず、故に両端を持じする者、之(これ)を首鼠と謂(い)う」(ねずみの性質は疑い深く、穴から首を出して出るか出ないかなかなか決められない。そのことから、二股(また)をかけてどちらとも決めない者を首鼠という)とある。

 一説に、首鼠は「首施(しゅし)」(ためらう)と同じと。また、「進退」の意ともいう。

 普通「首鼠両端を持す」のように用いる。前回の「狐疑逡巡」とも近い言葉。

 山崎の合戦で洞ケ峠を決めこんだ筒井順慶や、関ケ原で形勢を観望した小早川秀秋のとった態度がまさにそれだ。今の社会でもよく見かけることではある。

全国漢文教育学会長
石川 忠久 
 



〒960-8648 福島県福島市柳町4の29
ネットワーク上の著作権(日本新聞協会)
国内外のニュースは共同通信社の配信を受けています。

このサイトに記載された記事及び画像の無断転載を禁じます。copyright(c) 2001-2004 THE FUKUSHIMA MINYU SHIMBUN