◇第106回全国高校野球選手権福島大会・第8日(22日・あづま球場ほか4試合)
須賀川創英館 1―0 光南
8回まで0―0の互いに譲らぬ投手戦。均衡を破ったのは、9回1死二塁で代打に指名された須賀川創英館の白石奏太(3年)だった。「絶対に決めてやる」。外角高めの直球をとらえた打球は左前に落ち、敵失も絡んで二走吉田優希(同)が生還。スコアボードに刻んだ1点が、現校名で初の8強入りを引き寄せた。
投げた光南の北畠勇吹(いぶき)(同)とは幼稚園時代からの幼なじみ。この日の朝には「お互い頑張ろう」と北畠から連絡があった。「親友だからこそ負けたくなかった」と打席に臨んだ白石。得点につながった打席を振り返り、笑顔がこぼれた。
完封でもう一人の勝利の立役者となった善方空翔(ぜんぽうそらと)(同)も「ピンチの局面でしっかり守れてよかった」と汗を拭う。春季県大会で3割6分6厘の打率を誇る強力打線を相手に、要所を締めるピッチングで144球を投げ抜いた。
投打の殊勲の活躍で昨秋、今春と連続して県大会準優勝の第3シード校を撃破し、勢いはとどまる気配がない。さらなる高みへ向けて、4強の壁超えも狙う。(佐藤未羽)