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【いわき―秋田】後半24分、2ゴール目を決めるいわきのFW谷村=ハワイアンズスタジアムいわき
【いわき―秋田】後半40分、ヘディングシュートを放ついわきのFW加藤。後半に途中出場しプロデビュー戦となった

いわきFC、リーグ戦再開初戦で白星 秋田と東北ダービー

08/05 08:50

 【サッカーJ2第25節】いわきFCは4日、ホームのハワイアンズスタジアムいわき(いわき市)でブラウブリッツ秋田と対戦し、2―0で快勝した。リーグ戦でのホーム戦勝利は5月3日のジェフユナイテッド市原・千葉戦以来7試合ぶりで、再開後の初戦を白星で飾った。通算成績を10勝7分け8敗とし、順位は20チーム中7位に上がった。

 いわきは前半4分、FW加瀬直輝の右からのクロスにFW谷村海那が右足で合わせて先制。後半24分の2点目は、FW有馬幸太郎の右からのパスを再び谷村が右足で合わせて決めた。

 いわきは次戦の10日、ハワイアンズスタジアムいわきで10位愛媛FCと対戦する。午後6時開始予定。

 【評】いわきが数的優位を生かして勝利した。前半4分にカウンターからFW谷村がクロスに合わせて先制したが、その後は秋田に押し込まれた。しかし、前半39分に相手選手が危険なタックルをしたとして退場すると、後半は徐々にいわきペースに。後半24分、細かくパスをつないでゴール前に侵入すると、再び谷村がクロスに合わせて追加点。その後は危なげなく守り抜いた。(小磯佑輔)

 エース谷村2発

 いわきにとって5月の第13節以来となるホーム戦勝利。主役となったのは2度の決定機を確実にものにしたFW谷村海那だ。リーグ再開となった重要な一戦をゴールで彩ったエースは「チームに勢いが出る」と、今後の戦いを見据えた。

 得点はいずれも「毎日と言っていいくらい練習してきた」というクロスから生まれた。1点目は自陣からのカウンター。前半4分、右サイドをドリブルで駆け上がったMF加瀬直輝のクロスに合わせた。「難しいボールだったが低いシュートを意識した。入って良かった」。

 後半24分の2点目は、敵陣での細かい崩しから。縦パスを受けたFW有馬幸太郎が相手をかわし、DFラインとGKの間にクロス。谷村は素早い動き出しで相手DFの前に飛び出し、鮮やかに流し込んだ。「(味方を)信じてニアサイドに走った。触るだけだった」と振り返った。

 クラブ初のJ1昇格プレーオフ圏(3~6位)入りに向けて、チームは今節を含めた残り14試合で10勝を目標に掲げる。谷村は「出ていない選手も含めて同じ気持ちで戦うことが大切」と団結の重要性を語る。

 そのための仕掛けの一つが、この日の選手起用で見られた。加入間もないFW加藤大晟が起用された一方、これまで出場していたFW近藤慶一やMF下田栄祐はベンチ外。田村雄三監督は「競争をあおらないとチームの力は上がらない」と意図的な采配だったと明かす。チームの活性化による上位進出に期待が膨らむ。(小磯佑輔)

 加藤、J初出場で存在感

 上々のプロデビューだ。2日に来季の加入内定が発表されたばかりのFW加藤大晟が特別指定選手として後半16分から途中出場。身長184センチの恵まれた体格を生かして多くの好機を演出し、「気持ちは高ぶっていた。自分の良さは出せたと思う」と笑顔で語った。

 今回は、大学でテストを受けて試合2日前のチーム合流となったが、中断期間の練習試合で動きの良さを見せたことで出場が叶った。試合では前線で起点となるプレーを連発。加藤は「出番がもらえたら、自分のやるべきことを徹底するだけ」と意気込んだ。