G20、ウクライナに懸念表明 討議初日、反保護主義は明示せず

11/19 10:43

 18日、ブラジル・リオデジャネイロで記念撮影に臨む石破茂首相(後列左から4人目)ら各国首脳。(ロイター=共同)

 【リオデジャネイロ共同】ブラジル南東部リオデジャネイロで開かれた日米欧の先進国に新興国を加えた20カ国・地域(G20)首脳会議は18日、首脳宣言を公表した。2日間の日程のうち初日の討議で公表する異例の展開となった。ロシアによるウクライナ侵攻に懸念を表明。「米国第一」を掲げるトランプ前大統領の返り咲きで懸念が高まる保護主義への反対姿勢は明確には示さなかった。

 重要なテーマとなっている気候変動問題では、温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」の完全かつ効果的な実施を強化することで「気候変動に取り組む確固たる決意を再確認する」と強調した。トランプ氏はパリ協定からの再離脱を唱えている。

 ロシアのウクライナ侵攻を巡っては「人的被害や食料、エネルギー安全保障などへの悪影響を強調する」とし、緊迫化する中東情勢については深い憂慮を示した。

 貿易に関しては保護主義に直接言及せず、透明性のある多角的な貿易体制が必要との説明にとどめた。昨年の首脳宣言では、保護主義と市場をゆがめる慣行を「阻止する」と明記していた。

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