多くの方は歯科医院には行きたくないものです。歯科医院大好きなんていう方はいません。そういうこともあって「少し変かな」と思っても行きません。一晩痛みに耐え、仕方なくといったところです。これは、仕方ないことです。
ふと思う、こうなる前に...
嫌なところなので、できたら行きたくないものです。でも、どうにも耐えられなくなり、私共のところへいらっしゃいます。麻酔という注射はするし、時に抜歯されるかもしれません。なにより嫌なのは、あのキンキンする音。額から汗が出るばかりか、大人でなければ涙を流したいくらいです。 痛くて我慢できない時、しかも腫れていれば神経は死んでいることが多く、注射なしになったりしますが、歯を削られる時はナゼ麻酔をしないのかと思うほど痛いものです。 私たち治す側としては、こうなる前にいらっしゃればと、ふと思ったりしますが、なにしろ来たくない、行きたくない所ですので、最悪の状態になるまで我慢してしまいます。
神経が痛みを発している場合
歯が痛くなるというのは、前述しました状態ばかりでなく、歯の中の神経が痛みを発していることもあります。この場合は、神経をあきらめなければならないことがほとんどです。 神経をあきらめるということは、歯が死ぬということになります。歯が死んでも、もちろん即ダメということにはなりませんが、生きている歯より寿命は短くなってしまいます。でも、いずれにしましても抜歯ではありませんのでラッキーです。 こうして治療ということになりますが、歯が死んで歯ぐきまで悪くなったり、歯の中が痛みの原因となっても、救えるケースはたくさんあります。しかし、治療の時間はとても長くなりますし、もちろん痛みも伴います。この様に辛い思いもしますので、何の得もない話なのです。ではどうするか、簡単に申し上げますと、「痛くない時に治す」ということです。一般の方にとっては、痛くない時に歯医者に行くというのはあり得ないことかもしれません。
治療のサインを見逃さないで
でも、少ししみたり欠けたりした時がチャンスです。これを放置しますと、最悪のケースになったりします。このちょっとしたシグナルは、神のプレゼントなのです。「早く治しましょう」というサインです。 この時点で治しますと、歯を失うことも少ないですし、神経も保存され長持ちします。治療時間も短くて済みます。そうしますと、治療費も安価になります。良いことずくめなのです。本当です。 痛みはとても嫌ですが、そう考えるとこの痛みを1度でも経験されると、痛くなる前にという考えになるかもしれません。 もし、この痛みというものが無かったら、歯を失う方は多くなり、総義歯の人が多くなると思ったりもします。考えようによっては、痛みによって皆さんは救われているということになります。ちょっと詭弁(きべん)に聞こえなくもないのですが...。
1年に1度「歯医者の日」を
痛みは自己防衛をする上ではありがたい生理なのです。どういうことかと言いますと、たとえば沸騰しているヤカンに触れ、何ともなかったらどうでしょう。やけどをします。もちろん軽傷ということでは済みません。ちょっと触れて即、離すということで助かります。 この様に理解できれば、痛みはありがたいことと分かります。とはいっても歯科医院は積極的には行きたくない所です。半年に1度、いや、少なくとも1年に1度は歯科医院に行くことにしてはいかがでしょう。誕生日とかをその日と決めれば、1年に1度チェックをしてもらえます。
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