寒さが和らぎ春の兆しが訪れる3月。やっと暖かくなったかとホッとするのも束の間、つらい花粉症の季節が始まります。 日本人の3~4人に1人が花粉症を持っているとも言われ、実際、花粉症症状に悩まされている方も年ごとに増えています。
鼻づまりや止まらない鼻水、目の充血や痒み、くしゃみなど花粉症の特徴的な症状は、イライラやモヤモヤした気分だけではなく、思考力の低下やヤル気の低迷など、仕事をする方にも勉学に励む学生さんにも好ましいものではありません。
花粉症は仕事の効率を 低下させる?!
花粉症をお持ちの方ならば経験があると思いますが、鼻水に鼻づまりなど鼻炎症状は集中力や判断力を低下させ、仕事の効率や生産性に影響を出すことがわかっています。
花粉症は生死に関わるような「病気」ではありませんが、日常生活の質や精神的なモチベーションを下げてしまうことが多いのです。また、花粉症などの薬に使われる「抗ヒスタミン薬」などは、飲むと眠気を誘うものも多く、仕事や勉強などとの相性が良いとは言えません。
花粉はお肌にも悪影響
花粉のせいで目はしょぼしょぼ、鼻をかみ過ぎて鼻の頭は真っ赤でカサカサ。花粉が散乱する時期は、お化粧や美容どころではない方を多く見かけます。さらに、花粉自体が肌に悪さをすることもあります。
元々、お肌が弱い方や敏感肌だと、皮膚に付いた花粉が直接的に肌荒れを起こす原因物質になってしまうことがあるのです。この肌荒れや炎症は、肌老化を進めてしまったり、クスミの原因にもなるので要注意です。
このように、花粉症は目や鼻に症状が出るだけではなく、仕事や勉強に影響が出たり、肌トラブルも引き起こします。花粉対策用のサングラスやマスク、正しいスキンケアに加えて、カラダの中からの花粉症ケアも行うことで効果的に花粉からカラダを守っていきましょう。
お腹を整える発酵食品が アレルギー対策のカギ!
花粉症はアレルギー疾患のひとつであり、免疫の過剰防衛反応でもあります。このような、自分自身を守る力である免疫力の異常には、免疫系のバランスを調整してあげることが大切。そのためには、腸内環境を整えることは欠かせません。
意外に思われるかもしれませんが、大人の腸は免疫細胞が働く中心の場所であり、またカラダを守る細胞(抗体)の6~7割が腸でつくられていると考えられています。ですから、腸内環境を万全にするために、お腹に住む腸内細菌のバランスを整えることが花粉症対策にも必須なのです。
そこでオススメ食材が「発酵食品」。お味噌や乳製品などの発酵食品には、豊富な酵素と乳酸菌が含まれており、食べ物の消化をスムーズに行うだけではなく、腸内の善玉菌を増やし腸内環境を改善するとともに整腸作用もあります。
たとえば、お味噌にすり潰したエゴマを混ぜた「じゅうねん味噌」を使った「しんごろう」。発酵食品であるお味噌にα-リノレン酸を多く含むエゴマが免疫力を高め、花粉症防衛に相乗効果をもたらしてくれます。また、サケの切り身に米麹と塩、イクラを混ぜて発酵させた「紅葉漬」もサケに含まれるアスタキサンチンで抗酸化力が加わった力強い発酵食品のひとつです。
ビタミン&ミネラルで 花粉を寄せつけない!
花粉症対策には、しっかりビタミン類とミネラル類を摂ることが大切です。特に摂ってほしい栄養素が免疫機能を正常に保つビタミンB6と亜鉛、皮膚や粘膜を丈夫にすることで花粉へのバリア機能を高めるビタミンA&Cです。
ビタミンやミネラルは肉類や肝臓、新鮮な果物や野菜に豊富に含まれますが、なかなか量が摂れないことも多いはず。そこで、活用したいのが乾燥や冷凍による「凝縮」です。たとえば、この季節に出回る「あんぽ柿」。乾燥させることでビタミンCは失われてしまいますが、その代わりに抗酸化作用や皮膚を丈夫にするビタミンAやβ-カロテンは2~3倍に増えます。柿には食物繊維も豊富に含まれますから、整腸作用にも期待が持てます。
豆腐をじっくりと屋外に吊るして作られる保存食品でもある「凍み豆腐」もオススメ。カルシウム、リン、鉄、マンガンなど色々なミネラルが含まれていますが、注目すべきは食品から摂り難いと言われる亜鉛です。凍み豆腐にすることで通常のお豆腐の3倍近くも亜鉛の含有量が増えます。亜鉛は、免疫機能にはもちろんですが、潤いのある肌を保つためにも欠かせないミネラルですから、美肌を保つためにも取り入れたい栄養素です。
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花粉症対策は、症状が出始める前から始めることが効果的な結果を生むと言われています。寒さが落ち着くころから、内側からの花粉症予防を始めてみてください。
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