いわきFCが3連勝 走った守備陣、愛媛との攻防制す
08/11 09:00
【サッカーJ2第26節】いわきFCは10日、ホームのハワイアンズスタジアムいわき(いわき市)で愛媛FCと対戦、2―1で勝ち今季2度目の3連勝を飾った。通算成績は11勝7分け8敗。順位は20チーム中7位をキープした。
いわきは前半21分、FW谷村海那のゴールで先制。前半39分に同点とされたものの、後半は押し気味に試合を進め後半37分にオウンゴールを誘って勝ち越すと、そのまま逃げ切った。
いわきは次戦の17日、アウェーのフクダ電子アリーナ(千葉市)で暫定8位のジェフユナイテッド千葉と対戦する。午後7時開始予定。
【評】いわきが愛媛との一進一退の攻防を制した。前半はロングスローからFW谷村のゴールで先制したが、押され気味の展開。カウンターから多くの好機をつくられ、前半39分にDF裏を突かれて同点とされた。後半は走力を生かし、ロングボール主体で攻め込んだ。後半37分、五十嵐の右サイドからのクロスが相手のオウンゴールを誘って勝ち越し。体を張った守備でリードを守った。(小磯佑輔)
カウンター合戦、好機演出
目まぐるしく攻守が入れ替わる激しい試合を制したのはいわきだった。勝利の鍵となったのは選手が諦めずに競り合い、走り抜いたことだ。時間が経過するごとに試合を優位に進められるようになり、最後のオウンゴールにつながった。田村雄三監督は「(競り合いや走るといった)基本のところで相手を上回れた」と殊勲の選手をたたえた。
互いにロングボールを主体にカウンターを繰り返したこの一戦。いわきの攻撃で目立ったのはDF陣だ。3バックの両脇を務めた堂鼻起暉(かずき)や石田侑資が後方から駆け上がって頻繁にゴール前へ顔を出し、好機をつくった。特に堂鼻はチーム最多4本のシュートを記録。「3バックの両脇の攻撃参加はチームで重視している点。意識してプレーできた」と手応えを語った。
ただ、守りの面では反省点もあった。一瞬の隙が失点につながったからだ。五十嵐聖己(せな)が定位置の逆のサイドでスローインをしたことで崩れた守備をカバーできず、フリーの相手選手からのロングパスでDFの裏を取られた。堂鼻は「ちょっとした声かけがあれば状況は違っていた」と口にする。
チームは夏の移籍期間を経て戦術の幅を広げている。堂鼻加入後の3試合中2試合で、守備時に4バックを敷く守りを実行。「上手くいかないこともあるが、コミュニケーションを重ねればそれも減ってくるはずだ」。上位進出に向けて堂鼻は改善を誓う。(小磯佑輔)
谷村トップタイ14点目
点取り屋としての嗅覚で先制点をもぎ取った。3戦連発でリーグトップタイの14得点目を挙げたFW谷村海那。「ボールが来そうなところを狙っていた」とゴールを振り返る。
均衡を破ったのは前半21分。スローインからのこぼれ球に反応し、頭でゴール右隅に沈めた。以降も果敢にゴールを狙い、攻撃陣をけん引し続けた。
得点王も視野に入るが、「取れたらいいな」とあくまでチームの勝利に徹する考えだ。次の千葉戦に向け、「順位も近い相手なので負けられない。絶対勝つ」と気合を入れた。