来春の選抜高校野球大会出場につながる第76回秋季東北地区高校野球県大会は12日、あいづ球場(会津若松市)など県内4球場で開幕した。初日は1回戦8試合が行われ、白河実がいわき支部大会準優勝の勿来工に4―2で勝利した。
エース・八代、9回窮地耐えた
「仲間を信じて戦う」。白河実のエース八代琉優斗(るうと)(2年)がこの試合に臨む際、心の中で誓った言葉を表すかのような勝利となった。9回裏、連打を浴びて1点を失うと、なおも2死二塁のピンチ。マウンドに集まった野手たちから、「落ち着いていけ」と背中を押された。ひるまずに腕を振り、最後の打者を中直に打ち取ると、両手を上げて喜びを爆発させた。
マウンドに立つ時は「守備を信じて打たせてとる」ことを意識しているという八代。この日は直球の調子が良くなかったが、すぐに変化球主体の投球に切り替えたことも功を奏した。カーブを中心に6球種を操り、相手打線に的を絞らせなかった。7回に失投で1点を失ったが、落ち着いて後続を打ち取り、相手に流れを渡さなかった。
投げては2失点完投、打っては2安打2打点の活躍でチームを勝利に導いた。「たまたま反応できた」と、自身初の公式戦本塁打も放った。「チームにとっても大きな1勝になった。次の試合も自分の役割を果たして勝ちたい」。大きな自信を胸に、次戦に向けて闘志を燃やした。(高田泰地)