【草野心平の詩(上)】天山文庫「誕生祭」 命あふれる森を愛して

07/20 14:45

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三角のかやぶき屋根をつけた天山文庫。草野心平の友人で建築家の山本勝巳氏が設計し、木材の調達や建設、庭造りには村民らが協力して当たった。手前は「十三夜の池」

 草野心平という詩人は、とらえどころがない、と思う。  カエルを詠(うた)った詩が多く、「カエルの詩人」と呼ばれる。出身地いわきの人々に言わせれば、詩「上小川村」(詩集『牡丹園』)などで故郷を詠った叙情の人であるかもしれない。  個人的には、男声合唱組曲となった詩集「富士山」の印象が強烈だ。叙情の中で、硬くドライな言葉がきらめく。  いずれにせよ、草野心平とその詩には親しみはあるが、実はあまり知らな...

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