狭く暗いトンネルを抜けると、視界がぱっと開けた。車窓に流れる見渡す限りの海原と青空がまぶしい。鉄橋に車輪が弾む軽快な音に耳を傾けながら反対側の窓に目を向けると、昔ながらの瓦屋根の家屋が点在する牧歌的な風景が広がり、郷愁を誘う。 唱歌「汽車」の舞台とされる広野町。1912(明治45)年刊行の「尋常小学唱歌」として発表されて以降、世代を超えて歌い継がれ、町民の郷土愛を育んできた。歌詞に登場すると伝...
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