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特定外来生物「ナガエツルノゲイトウ」いわきで確認 県内初、特殊報を発表

08/09 08:05

いわき市で発生が確認されたナガエツルノゲイトウ(県病害虫防除所提供)

 県病害虫防除所は8日、特定外来生物に指定されている雑草「ナガエツルノゲイトウ」が県内で初めて確認されたとして、適切な防除対策を呼びかける特殊報を発表した。繁殖力が非常に強いのが特徴で、農作物の収穫量の減少、河川や池の水面を覆って取水や排水の障害につながる恐れがある。東北地方で確認されたのも初めてで、雑草による特殊報の発表は国内初。

 いわき市の一部の水田などで6月にナガエツルノゲイトウと疑われる雑草が発見され、国機関の農業・食品産業技術総合研究機構(茨城県)が調査した。県が周辺の発生状況を調査したが生息していたのはごく一部で広域の被害は確認されていない。現時点で原因は不明という。

 防除所によると、ナガエツルノゲイトウは南米原産の多年草で、茎や根から増殖する。茎の再生力が強く、数センチの断片から根を出す特徴がある。茎は切れやすく水に浮くため、用水や河川を通して拡散しやすい。国内では1989年に兵庫県で初確認され、昨年3月時点では関東地方以西から南西諸島にかけて確認されている。

 防除所は有効な対策として、農機具の洗浄や水田の水口に目の細かい網を設置することなどを求めている。水田で発生が確認された場合に、草刈りをすると茎の断片が拡散する可能性があるため、除草剤の散布などが効果的という。発生が疑われる際には、防除所や最寄りの農林事務所への報告を求めている。

          ◇

 特殊報 県内で未発生の病害虫が発見されたり、異常な発生が確認されたりした場合に発表する情報で、注意喚起や適切な防除につなげることを目的にしている。2022年6月に植物防疫法が一部改正されたことに伴い、有害な動植物に「草」が追加され、雑草での特殊報の発表が可能になった。現在のところ、草の種類は指定されていない。

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