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【徳島―いわき】後半6分、頭で先制ゴールを決めるいわきのFW有馬(10)=鳴門・大塚スポーツパークポカリスエットスタジアム
【徳島―いわき】後半、右サイドをドリブルで駆け上がるいわきのFW杉山

いわきFC、昇格プレーオフ進出へ弾み 徳島に勝利、J2残留確定

09/23 08:50

 【サッカーJ2第32節】いわきFCは22日、アウェーの鳴門・大塚スポーツパークポカリスエットスタジアム(徳島県鳴門市)で徳島ヴォルティスに1―0で勝利した。通算成績は14勝7分け11敗で、順位は20チーム中7位。いわきは6試合を残してJ3降格がなくなった。

 いわきは後半6分、DF山下優人が上げたクロスにFW有馬幸太郎が頭で合わせて先制点を決めた。そのままリードを守り切り、5試合ぶりに無失点での勝ち星をつかんだ。

 いわきは29日、ホームのハワイアンズスタジアムいわき(いわき市)で行われる次戦で18位栃木SCと戦う。午後3時半開始予定。

【動くグラフで見るJ2順位】

 【評】いわきが後半早々に奪った1点を守り抜いた。前半から中盤でのこぼれ球への反応で勝るシーンが多く、守備が機能。攻撃でも、DF山下のクロスなどから好機をつくった。風上に立った後半6分、CKの流れからFW有馬が頭で合わせて先制点を奪った。その後は徳島に攻め込まれる時間帯もあったが、最後は守備の枚数を増やして逃げ切った。(熊田紗妃)

 高い集中力、90分走って体張る

 シーズンの佳境を迎える中、いわきが昇格プレーオフ進出に向けて弾みとなる大きな勝利をつかんだ。シュート数は徳島の9本に対して3本と下回ったが、好機を生かして先制すると、最後まで守りの集中力を切らさなかった。田村雄三監督は「前線からのディフェンスも含めてみんなでしっかりとゼロに抑えてくれた」とたたえた。

 いわきが風上に立った後半に試合が動いた。後半6分、CKの流れからボールが渡ったDF山下優人が左サイドで精度の高いクロスを上げ、FW有馬幸太郎が頭で合わせて先制点。「ヤマさん(山下)のクロスが素晴らしかった。とにかく枠に入れるだけだった」と振り返った。

 先制点が生まれたのは、守備陣の奮闘により多くの攻撃機会がつくられたからだった。果敢なプレスで主導権を握り、中盤と守備の選手が連係してロングボールを回収し、攻撃につなげた。移籍後、初スタメンとなったMF柴田壮介は「最後は(自分が守る)中央付近にボールが来るので、そこに穴を空けないということは意識した」と語った。終盤は徳島が攻勢を強めたが、全員が献身的に走り続け、ゴール前で体を張った。

 残り6試合でプレーオフ争いも激しさを増す中、上位チームとの戦いも控えている。有馬は「うまくいっても勝てない試合もあるし、その逆もある。この勝利に慢心することなくしっかり準備していく」と高みを見据えた。(熊田紗妃)

 久々リーグ戦、杉山が存在感

 3月の山形戦以来のリーグ戦出場となったいわきのFW杉山伶央。「久々の出場だったが、チームの勝利を第一に意識した。勝つことができて良かった」と笑顔を見せた。

 加入以来出場が少なく、背番号は7番から30番に変更となった今季。リーグ戦終盤に入った重要な試合でチャンスが巡ってきた。MF加瀬直輝に代わって後半開始から右のウイングバックで出場すると、すぐに攻撃の起点に。武器のドリブルを織り交ぜながら、FW西川潤とのパス交換でゴールに迫った。「ゴールに関わりたかった」。貪欲な姿勢を見せる30番の飛躍がチーム上昇の鍵になりそうだ。