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【藤枝―いわき】後半、ゴールへ迫るFW有馬=藤枝総合運動公園サッカー場
【藤枝―いわき】後半、敵陣でボールをキープするFW近藤

いわきFC、有馬弾で望みつなぐ 藤枝とドロー、昇格POへ貴重な勝ち点1

10/06 07:15

 【サッカーJ2第34節】いわきFCは5日、アウェーの藤枝総合運動公園サッカー場(静岡県)で藤枝MYFCに1ー1で引き分けた。通算成績は14勝9分け11敗。順位は暫定で20チーム中7位。

 いわきは前半16分に先制を許した。終了間際の後半43分には、ロングスローからのこぼれ球に反応したFW有馬幸太郎のゴールで同点に追い付いた。

 いわきは20日、アウェーのシティライトスタジアム(岡山市)で行われる次戦で、5位のファジアーノ岡山と対戦する。午後2時開始予定。

【動くグラフで見るJ2順位】

 【評】いわきは終了間際の得点で敗戦を免れた。前半は一進一退の攻防。いわきは積極的なプレスで藤枝のパスワークを抑えにかかったが、前半16分に守備を崩されて先制を許した。後半に大雨が降ったことから、いわきはロングボール攻撃を仕掛けて攻め込み、クロスからゴールに迫った。後半43分、ロングスローからのこぼれ球をFW有馬がボレーで押し込み、追いついた。(小磯佑輔)

 終了間際、有馬が執念のゴール

 まさに執念のゴールだった。幾度となく仕掛けたロングボール攻撃が実を結び、いわきは終了間際のFW有馬幸太郎のゴールで引き分けにこぎつけた。「(J1昇格プレーオフ圏入りへ)この引き分けは大きい」。試合後、選手たちはこう声を掛け合った。

 後半、強まった雨で試合の様相が一変した。ピッチには水が浮き、ボールが水しぶきをあげて止まるようになる。パスがつながりづらい状況を考慮したいわきは、ロングボール主体の戦いを選択。競り合いの強さが生きたことで試合を支配していった。

 藤枝の守りを破ったのは後半43分。ロングスローからの競り合いでこぼれた先に有馬がいた。「思い切って足を振り抜けた」。ボールは混戦をすり抜けてゴール隅に突き刺さった。田村雄三監督は選手をねぎらう。「不細工なサッカーだったかもしれないが、執念が出たと思う」。

 残すは4試合。プレーオフを見据えれば、落とした勝ち点2は惜しい。先制を許した前半は「プレスが決まらなくなってきた時に、すぐ修正できなかった」(有馬)という反省も残した。しかし、選手たちは前向きな姿勢を崩さない。有馬は「この勝ち点1がプレーオフ圏入りを左右するかもしれない。次は勝ちたい」と意気込んだ。(小磯佑輔)

 復調示した近藤

 7月の山形戦以来、約3カ月ぶりの出場となったいわきのFW近藤慶一が勝ち点1獲得に貢献した。後半頭に投入されると、フィジカルの強さを活かして前線でロングボールを収め、攻撃の起点となった。「得点はできなかったがチームの流れを変えることはできた」と手応えを語った。

 出場が遠のいていた理由はコンディション不良。体が思うように動かないことなどから、精神的にも落ち込んでいた。コーチ陣と相談を重ね、やるべきことに向き合えるようになると、次第に調子が戻った。この試合で、自信をつかむこともできた。残る試合に向けて「自分の力を使ってほしい。そのために与えられた役割をこなす」と宣言した。