滝桜周辺に「忘れられた地名」 明治期の三春地図発見、村ごとに街道や民家位置

10/17 09:20

三春町が新たに収蔵した資料。赤色の点や線で民家や街道があった場所を示している

 明治時代初期の福島県三春町周辺を記した地図が発見された。三春藩領全体の地図は現存しているが、地名や街道が記された周辺の村ごとの詳細な地図は残されていなかった。町は三春滝桜周辺の過去の地名などを伝える貴重な資料としている。

 地図は1871(明治4)年ごろに作られたもので、県外の人物が所有していた。町にはない貴重な歴史資料であるとして町が購入。地図製作に関わる資料を含めて260件、507点を収蔵した。

 当時の三春藩領は現在の三春町のほか、郡山市や田村市の方面まで藩領があり、城下町の周辺は村が形成されていた。新たに見つかった資料は村ごとに地名や街道、屋敷、各村との境などの位置が記されている。滝桜の周辺には滝村が形成されており、「桜ノ下」という現在は使われていない地名が表記されていた。

 町歴史民俗資料館の平田禎文館長は「忘れられた地名などがあって大変貴重。現地測量の記録も残っており、地図製作の過程や技術を知ることもできる」と話す。

 26日から公開

 町は26日から12月22日まで、町歴史民俗資料館で特別展を開き、地図などを公開する。特別展の開催時間は午前9時~午後4時半(入館は同4時)。同館収蔵の江戸時代に描かれた三春城と城下町の主要な絵図も合わせて公開する。

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