菅家一郎氏が立候補取りやめ 衆院選福島3区、後任は上杉氏が有力

10/13 07:00

菅家一郎氏(左)と上杉謙太郎氏(右)

 15日公示、27日投開票で行われる衆院選で、福島3区に無所属での立候補を表明していた前職菅家一郎氏(69)=4期=は12日、会津若松市で記者会見し「政治と金の問題に対して責任を感じており、けじめをとる」として出馬を取りやめると表明した。自民党から非公認とされた菅家氏を支援する党県連は後任の擁立を急ぐ方針で、関係者によると、比例代表への出馬を取りやめた前職上杉謙太郎氏(49)=2期=が有力とみられる。

 菅家氏は党派閥裏金事件を巡って政治資金収支報告書に2018年から5年間で計1289万円の不記載があり、党役職停止6カ月の処分を受けたほか、派閥からの還流金を原資とした寄付で税控除を受けていたことが明らかになっている。これを受け党は9日、菅家氏を非公認とすることを発表。菅家氏は同日夜、報道陣の取材に無所属で立候補する考えを示していた。

 12日の記者会見で菅家氏は、無所属で立候補する方針の表明からわずか3日後に出馬断念を決めた経緯について、旧福島3区が地盤の上杉氏が立候補を辞退したことを挙げ「二人三脚でこの選挙を戦おうと思っており、立候補辞退はショックだった」と述べた。また「裏金議員、非公認議員として報道されているのを見て、後援会からも辞退した方がいいという声が届いていたのも事実」と明かした。11日夜に決断したという。政治活動は「当然継続する」と述べ、政界引退は否定した。

 菅家氏を公認候補同様に全面支援する方針を示してきた党県連は、不出馬を受けて後任の選定に着手した。15日の公示が迫る中、不戦敗は避けたい考えで、選挙区内の関係者から期待の声がある上杉氏を軸に調整を進める見通しだ。

 福島3区には、立憲民主党の前職小熊慎司氏(56)=4期=と共産党の新人唐橋則男氏(63)が出馬を予定している。

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