今夏の甲子園に出場した聖光学院高野球部3年の竹田一遥(かずはる)さん(18)がAO入試で慶応大環境情報学部に合格した。聖光学院高から慶大に合格したのは初めて。新潟県から入学し、不動の「1番遊撃手」としてチームをけん引してきた竹田さんは慶大野球部に入部する考えで「六大学で野球をすることが夢だった。聖光で学んだことを大学で見せたい」と抱負を語る。
慶大に憧れを抱いたのは地元新潟県で開かれた東京六大学リーグや東都リーグなどの所属チームが集う次世代育成大学野球サマーリーグを観戦した小学生の頃だった。「格好良い。『KEIO』のユニホームが着たい」。野球少年の心が動かされた。
その憧れが明確な目標に変わったのは昨年だったという。福島市で開かれた全早慶戦を観戦し、慶大野球部で大学日本代表に選ばれた外丸東真さん(3年)から「環境は関係ない。自分次第だよ」という言葉をかけてもらい、本気で進学を目指した。
それから受験の準備を始めた。5月ごろからは、志望理由書と自己PRを自由なレイアウトで書く自由記述などで決まる1次選考の準備に取りかかり、甲子園に向けて関西で調整をしていた8月も練習の合間を縫ってホテルで取り組んだ。
1次選考に合格し、10月末に2次選考の面接に臨んだ。「話したいことは全部話せた。これで落ちたら仕方ないと思った」。1日にスマートフォンで「合格」の2文字を見た時は「ほっとした」と竹田さん。野球部の同級生から盛大な祝福を受けた。
現在は聖光学院高グラウンドで打撃練習などに取り組んでいる。「1年春のリーグ戦から試合に絡みたい」と憧れのユニホームに袖を通す日を待ちわびている。