【3】新酒の季節反応が一転 前県酒造組合会長・新城猪之吉

11/15 08:00

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早々と県産清酒の安全性をアピールしたが、風評はじわりじわりと広がっていった。震災後に収穫された酒米で仕込んだ酒は全く売れなくなった

 全国からの復興支援のオーダーが私たち酒蔵の心の支えになった。  東日本大震災と原発事故が起きた2011(平成23)年の県産清酒の売り上げは、最終的に前年比110%に達した。日本酒を愛するファンの温かな心が本当にありがたかった。  しかし一方で、震災直後の3月末には既に問題が表面化しつつあった。  あるスーパーから、県内の蔵元に電話があった。  「これから送ってくる酒は放射性物質の検査を受...

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