【2】一冊の本が人生変えた 刀工・藤安将平

05/21 08:30

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師匠の宮入(右)が書いた本から刀工という仕事に興味が湧き、見学したい一心で長野県の会社を就職先に選んだ。本が私(左)の人生を変えた

 本には絶大な力がある。 それは時として人の人生を変える。 私は、人生の半分以上を刀工一筋に生きてきたが、初めからこの道を進もうと思っていたわけではない。高校の時に読んだ一冊の本が刀工という特殊な世界に引き入れた。 それまでは、父の跡を継ぐものと思っていた。父は洋服の仕立てを業とした職人。私が中学の頃、仕立ての仕事をやめて、自ら技術を考案した洋服の修理を本業としていた。私も手先の器用さを生かして仕...

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