【4】人づくりも師に教わる 刀工・藤安将平

05/23 08:30

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大槌を振る練習を毎日続け、刀鍛冶になるための努力を惜しまなかった。自分だけの技術を少しでも身に付けたことで弟子として認められた

 取り返しのつかない失敗を許せるかどうか。それが人の度量を決めるのだろう。 師匠・宮入行平の下で修業を始めてから3年目。私はとんでもないミスを犯した。 師匠、兄弟子と焼き入れを終えた刀3本の仕上げをしていると、1本の「樋掻(ひか)き」を言い付かった。樋掻きは刀身を貫く稜線(りょうせん)「鎬(しのぎ)」の峰側に溝を彫る工程。師匠は気に入った刀に溝を2本入れた。「二筋樋(ふたすじひ)」といい、師匠が打...

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