【5】待ちに待った日が来た 刀工・藤安将平

05/24 08:30

  • 有料記事
刀工になって初めて打ち上げた1振り。新作名刀展で入賞しうれしくもあったが、古名刀に比べつまらなさだけが目についた。真の日本刀作りに取り組む原点にもなった

 ついにその日が来た。 日本刀は、国から「刀工」と認められて初めて作ることができる。それには、刀工の下で5年以上修業し作刀の知識や技術をしっかり身に付ける必要がある。刀匠の宮入行平に弟子入りして6年。私もようやく国に認められる刀工になれた。 「自分で2本をまとめてみろ」 待ちに待った師匠からの指示。材料をそろえて鍛錬し、小槌(こづち)でたたいて形状を整える「火造り」と作業を進めた。師匠は口を出さず...

この記事をSNSで伝える:

  • X
  • facebook
  • line