刀工を諦めざるを得ない危機があった。 刀工のお墨付きを得ると、師匠からどんどん仕事を任された。弟弟子の世話や仕事の分担などもこなし、寝る暇もなくなった。 いつも通り刀の仕上げをしていると、目の前が真っ白になった。明るいのは分かっても他に何も見えなかった。知らず知らずのうちに疲れがたまり、体が悲鳴を上げたのだろう。 師匠は大慌てだったらしい。父に連絡して「大切な息子さんにとんでもないことをしてしま...
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