登り窯の復活は、新たな挑戦への意欲と出会いを与えてくれた。 東日本大震災後、自分の作陶人生に向き合う時間が増えた。思いを巡らす中で新しい作品を作ってみたいという欲求が膨らんだ。それを満たすのは「柿のへた茶碗(ちゃわん)」だと思えた。 柿のへた茶碗は天目茶碗や井戸茶碗のような約束事がないが、茶碗をひっくり返して底を見たとき、干し柿のへたのような侘(わ)びたおもかげを感じさせる名品。私は作陶への思い...
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