「見落とされてきたものを掘り起こし、丁寧に調査した成果を展覧会にしたい」 県立美術館で学芸員をしていた頃は、そんな思いが強かったように思う。 1995(平成7)年の「歌舞伎の衣裳(いしょう)展」はその一つ。檜枝岐歌舞伎(檜枝岐村)や黒森歌舞伎(山形県酒田市)など、近世から続く農村歌舞伎の衣装に着目した展覧会で、全国でもあまり例がなかった。 これらの地域の人たちは、衣服の規制が厳しかっ...
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